車を貸し出して運用に回せば利益を得られるとうたって消費者に高級車を買わせ、預かった車でカーシェア事業を展開していた会社が倒産した。オーナーの多くは「元手ゼロで始められる投資」と勧誘された若者で、多額のローンの支払いに窮する人が続出している。(兼田徳幸、市原研吾)
メルセデスベンツ、BMW、アウディ、レクサス……。10月半ば、埼玉県内の駐車場を訪ねると、出番を失った高級車がすし詰めの状態で放置されていた。
経営破綻(はたん)したのは、「スカイカーシェア」のサービス名でカーシェア事業を展開していたSERIAS(セリアス)(東京都豊島区)などのグループ会社。東京地裁に11~12月に破産手続きの開始を申し立て、開始決定を受けた。東京商工リサーチによると、負債は判明分だけで4億円を超えるが、グループの主な運営会社は申し立てした時点で負債額は不明としている。
破産申立書などによると、グループは2018年4月に東京で事業を始め、その後大阪に進出した。「高級車はシェアする時代」などと宣伝し、最安24時間6800円とレンタカーより安い料金設定でユーザーを集め、月単位の貸し出しもしていた。
車両はオーナーから預かったものを使った。グループは「家を買って賃貸に出す不動産投資のようなもの」「レンタカーの『わ』ナンバーではない高級車はシェアの需要がある」などと勧誘。グループや提携先の中古車販売会社から1台数百万円の7年ローンで買わせた。オーナーは関東、関西を中心に600人前後とみられ、複数台契約していた人もいる。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル